自然の害

【塩害】自然と共に生きるものの宿命

【塩害】自然と共に生きるものの宿命    2018.10.5
町中の田んぼが青々とした姿から黄金色へと変化し、至る所でキンモクセイの香りがし始め、朝晩の肌寒さを感じる秋。今年は昨年以上に日照時間が足らず、雨ばかりで柑橘の収穫を懸念していた矢先に先週末の台風24号。台風が通過する日曜日から、去った翌日の月曜にかけて町内は強風が吹き荒れた。台風後はいつも少なからず何かしらの被害があり、園内の倒木処理や電気柵の補修がつきものだ。しかし今回はそれ以上に塩害が深刻だ。雨量が少なく、強風が長く続いたために風と共に巻き上げられた海水が洗い流されることなく葉に蓄積してしまい、結果としてニューサマーオレンジや甘夏みかんの葉が枯れて落葉し始めている。5月からの収穫に向けて日々実が大きくなり生長していたものの、少ない葉からは栄養が十分に実に蓄積されない。被害を免れた木もあるものの、大半は収穫することができないだろう。今年の夏は特に暑く、そんな炎天の中の草刈り、施肥、摘果と手塩に掛けてきた作物が一夜にして台無しになってしまう厳しい現実。就農してから初めて経験する塩害に自然の厳しさを痛感した。これが自然と共に生きるものの宿命であり、いい時もあれば悪い時もある。そう自分に言い聞かせ納得させて再来年の収穫に向け動き始めるしかない。